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草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE

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大作曲家のピアノ小品集

スタッフTKのオススメクラシック 2019.2.1 Vol.28

草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE

 交響曲など大規模なオーケストラ作品を多く残している作曲家には、ピアノ小品にも名曲を残している人、そうでない人などいろいろいます。ベートーヴェンやシューベルト、シューマン、ブラームスなどはピアノソナタ以外にも多くのピアノ曲を作曲していますが、今回はピアノ曲に有名なものが少ない作曲家のピアノ小品集を2つ紹介します。

   ・チャイコフスキー/18の小品Op.72
 ロシアの作曲家 チャイコフスキー(1840-1893)は6つの交響曲、大序曲1812年やイタリア奇想曲などの管弦楽曲、ピアノを伴った作品ではピアノ協奏曲第1番やピアノ三重奏曲などの有名な作品がある一方、独奏曲では12曲からなる「四季」が知られるくらいで、ピアノソナタも2曲ありますがピアニストがこぞって演奏するという曲ではありません。
 この「18の小品」はチャイコフスキー晩年の作品で、全曲通して演奏すると1時間以上かかり、“小品”と名乗っていますが「四季」とは違い、規模の大きな曲や難易度の高い曲も含まれています。曲目は、
1. 即興曲       2.子守歌          3.やさしい非難
4.性格的舞曲     5.瞑想曲(メディテーション) 6.踊りのためのマズルカ
7.演奏会用ポロネーズ 8.対話           9.少しシューマン風に
10.幻想的スケルツォ  11.火花のワルツ      12.いたずらっ子
13.田舎のエコー    14.悲しい歌        15.少しショパン風に
16.5拍子のワルツ   17.遠い昔    18.踊りの情景(トレパークへの誘い)
となっていて、それぞれの曲に関連性は特になく、一つ一つ独立した作品18曲で構成されています。一番よく演奏されているのは第5曲の「瞑想曲」でリヒテルも録音を残しています。この曲のテーマはチャイコフスキー/交響曲第5番 ホ短調 第2楽章の有名なホルンソロとよく似ています。他に第10曲「幻想的スケルツォ」は未完に終わった交響曲第7番のスケルツォ楽章として作曲されたものです(この曲をオーケストレーションして交響曲を復元した演奏もあります)。この第10曲と第1、7、18曲の4曲は難易度がかなり高めで、やりがいのある作品です。
 またゆったりとしたテンポの第2、14、17曲の3曲は、前半は易しいのですが、後半は細かい音型の中にメロディーを浮かび上がらせる奏法を使っているので難易度が高くなります。そして発表会にオススメで、難易度のあまり高くない曲は、第3曲「やさしい非難」、第6曲「踊りのためのマズルカ」、第9曲「少しシューマン風に」で、第9曲はシューマン/交響的練習曲のフィナーレをとてもやさしくした雰囲気です。

   ・ドヴォルザーク/詩的な音画(音の絵) Op.85
 こちらはドヴォルザーク(1841-1904)のピアノ小品集です。ドヴォルザークのピアノ作品と言えば連弾曲のスラヴ舞曲集が有名ですが、原曲よりもオーケストラ編曲版の方がよく演奏されています。またピアノ協奏曲は1曲だけありますが、有名なチェロ協奏曲と比べると演奏される機会はほとんどありません。なぜかリヒテルとカルロス・クライバーの名演奏家による録音が残されています。
 さてこの「詩的な音画」ですが、作曲は1889年、交響曲第8番「イギリス」よりも少し前、アメリカに渡る前の作品です。曲目は、
 1.夜道を通って 2.戯れに 3.古城にて 4.春の歌 5.農民のバラード
 6.思い出 7.フリアント舞曲 8.家の守り神たちの踊り 9.セレナーデ
 10.バッカナール 11.楽しい語らいの場で 12.鎮魂碑のそばで 13.スヴァター・ホラにて の全部で13曲。西洋では「13」は不吉な数字ですが、ドヴォルザークは『歌曲にも13曲からなる曲集があるから』と特に気にしてなかったそうです。曲は難易度の高い曲はあまりなく、かといって気軽に弾ける曲も少なくて、しっかりと1曲1曲取り組んでレパートリーにしていける曲がほとんどです。
 オススメはドヴォルザークの無言歌という表現がピッタリの第4曲「春の歌」(ちょっと難易度は高めです)、高音域でのキラキラした響きがかわいらしい第8曲「家の守り神たちの踊り」、伴奏形がちょっと変わっている第9曲「セレナーデ」、何の予告もない突然の転調が絶妙な第11曲「楽しい語らいの場で」などです。また最後の2曲「鎮魂碑のそばで」と「スヴァター・ホラにて」は、どちらも難易度が高く(「鎮魂碑」の途中、三段譜になっている部分を指定されたテンポで弾くのは、はっきりいって無理です)、しかも続けて演奏することを想定していると思います。
 チャイコフスキー、ドヴォルザーク両作品とも、ピアノ作品全集のようなセット物での収録になりますが、新たなレパートリー開拓になれば と思います
2019.2.1 Vol.28