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ベルリオーズ イタリアのハロルド

あまりにも不遇な独奏楽器

草津A・SQUARE店/ミュージックサロンA・SQUARE

フランスの作曲家エクトル・ベルリオーズ(1803-1869)は、交響曲を全部で4曲作曲しています。すべてにタイトルがついているので、第〇番という呼び方はしていないのですが、有名な「幻想交響曲」はその中で一番最初に作曲された交響曲です。
 今回紹介する「イタリアのハロルド」は「幻想交響曲」の4年後、2作目の交響曲として作曲されました。この曲の正式なタイトルは「ヴィオラ独奏付き交響曲『イタリアのハロルド』」というもので、オーケストラの楽器の中でも目立たない、独奏楽器として当時からもあまり使われていないヴィオラ(ベルリオーズ以前ではバッハ/ブランデンブルグ協奏曲第6番かモーツァルト/協奏交響曲ぐらいです)をメインに作曲されました。
 なぜベルリオーズがこの楽器をソロとして使ったか、今日では信憑性が低い説(ベルリオーズ本人による回顧録での記述のため)ですが、幻想交響曲を聴いて感動したパガニーニがベルリオーズの元を訪れ、「高価なヴィオラを手に入れたので、この楽器のための協奏曲を作ってほしい」と依頼してきたというものです。
 実はベルリオーズは独奏楽器と管弦楽による協奏的作品は「夢とカプリッチョ」というヴァイオリンと管弦楽による演奏時間10分程の小品1曲しかありません。ヴィオラ協奏曲として作曲を進めていたベルリオーズですが、圧倒的なオーケストラの響きにかき消されるヴィオラの扱いに困り、パガニーニへの依頼を断念してヴィオラ協奏曲ではなく、ヴィオラ独奏を伴った交響曲「イタリアのハロルド」として完成させます。
 今日、独奏楽器を伴った交響的作品といえば、リムスキー=コルサコフの「シェエラザード」が有名で、これは独奏ヴァイオリンが大活躍する曲ですが、全4楽章で構成されるベルリオーズの「イタリアのハロルド」は、楽章が進むにつれ独奏ヴィオラの出番が減っていく…というソリストにとっては困った作品となってしまいました。それでも第1、4楽章にはまだ見せ場があるのですが、それぞれの楽章の後半は独奏ヴィオラが必死に弾いているのに、オーケストラの大音響でまったく聴こえないという始末なのです。
 実はフランツ・リストがこの曲を独奏ヴィオラはそのままで、オーケストラ部分をピアノ用に編曲しています(音源はレアですが…)。その編曲版を聴くとヴィオラの音がよく解ります(出番の少なさもよく解ります)。
 私はもう割り切ってベルリオーズの管弦楽作品として聴いているので、終楽章ラストの次から次へとたたみ掛ける展開には「幻想交響曲」以上のものがあると思っています。
 録音は結構ある作品なので一度聴いてみて下さい。不憫な独奏楽器の作品として聴くか、派手なオーケストラ作品として聴くかで印象が変わってくると思います。
2018.11.17 Vol.19